
「縫い始めたら裏側の糸がぐちゃぐちゃに絡まってしまった」「何度直しても下糸が団子になる」——このトラブルは、福岡でミシン修理のご相談をいただく中でも特に多い症状のひとつです。
下糸の絡まりは、機械の故障ではなくセット方法や糸の使い方が原因であることがほとんどです。正しい手順を知れば自分で解決できる場合も多いため、本記事では原因と対処法を順番に解説します。
下糸が絡まる5つの主な原因
① 上糸のかけ方が間違っている
下糸の絡まりで最も多い原因が、上糸のセット不良です。糸をかける際に押さえを下げたままにすると、糸調子ダイヤル内の板が閉じているため、糸に正しい張力(テンション)がかかりません。
必ず押さえを上げた状態で上糸をかけ直すのが基本です。特に糸かけ順の番号を飛ばしている場合は、途中から修正せず最初から全部かけ直してください。
② ボビンのセット方向・引っ掛け忘れ
下糸(ボビン)のセットには決まった向きがあります。水平釜の場合、ボビンを入れたときに糸を引くと左回りになる向きが正解です。右回りになっていると糸の出方が逆になり、縫い目に乱れが生じます。
また、ボビンを釜にセットした後、釜の切込み(糸掛け溝)に糸を必ず引っ掛けることを忘れないでください。この工程を省くと、縫い始めから下糸が暴れて絡まります。
③ 縫い始めに布や糸を手で引っ張っている
縫い始めの数針で、布をうしろに引いたり、糸端をぐっと引っ張ったりすると、下糸がゆるんで釜の中に巻き込まれます。特に薄地や伸縮素材を縫うときに起きやすいトラブルです。
縫い始めは布を無理に引かず、はじめの数針を低速でゆっくり進める習慣をつけましょう。また、縫い始め前に上糸・下糸両方を10cm程度引き出して押さえの後ろ側に置いてから縫い出すと安定します。
④ ミシンに合わない糸・ボビンを使っている
「どのミシンにも同じボビンが使える」と思いがちですが、ボビンはメーカー・機種によってサイズ・厚みが異なります。規格外のボビンを使うと内釜との隙間が変わり、糸調子が乱れて絡まりの原因になります。
糸の太さ(番手)も同様です。針の太さと糸の太さは対応しており、組み合わせが合っていないと縫い目に問題が出ます。必ずミシンの取扱説明書で指定されたボビンと糸を使用してください。
⑤ 内釜(釜)に傷・ほこりが溜まっている
長年使用したミシンでは、内釜に小さな傷(釜傷)がついていることがあります。傷に糸が引っかかることで縫い目の乱れや絡まりが生じます。釜傷は自分では修復が難しく、専門家によるヤスリ研磨や内釜交換が必要なケースもあります。
また、釜周辺に糸くず・ほこりが溜まることで正常な回転が妨げられる場合もあります。ボビンを取り出した際に、付属の小ブラシで釜周辺を定期的に清掃しておくことが予防になります。
自分でできる対処手順(まずこの順番で試す)
- ① 上糸を全部外して、押さえを上げた状態でかけ直す
- ② ボビンを取り出してセット方向・釜への引っ掛けを確認してやり直す
- ③ 小ブラシで釜周辺のほこり・糸くずを取り除く
- ④ ボビン・糸が機種指定のものかを確認する(説明書確認)
- ⑤ 縫い始めに布・糸を引っ張らず、低速でゆっくり縫い出す
これらを試して改善しない場合、釜傷・糸調子装置の摩耗・ギアの劣化など機械的な原因が考えられます。
ミシンの基本的な動作確認については「ミシンが動かない原因とチェック項目」も参考にしてください。
自分で直らないときは福岡のみしんライフへ
上記の手順をすべて試しても下糸の絡まりが改善しない場合、内釜の傷・糸調子装置の劣化・ボビンケースの変形など、分解が必要な内部の問題が疑われます。無理に続けて使うと、針折れや縫い目の大幅な乱れに発展することもあります。
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